2010年09月28日

絶版も当然、ある意味危険な「ちびくろおじさん」

遅めの夏休みをとり、久しぶりに故郷の北海道に帰省しまして。
実家で子供の時読んだ本を眺めていたりしたら、とんでもない絵本を見つけました。
その名もちびくろおじさん。今は絶版になっている模様。
 
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%A1%E3%81%B3%E3%81%8F%E3%82%8D%E3%81%8A%E3%81%98%E3%81%95%E3%82%93-%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%B9%BC%E5%B9%B4%E7%AB%A5%E8%A9%B1-11-%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB/dp/4050033585
 
(以降、ネタばれ注意。絶版本ですが)
 
 
ま、名前からして絶版になりそうな感じですが。しかし、この絵本、初版は1968年で、ちびくろの名前ごときでは何の問題もなかった模様。そんな時代の雰囲気を再現した本書の書き出しがこんな。

ピッコレットさんは、小さいうえに いろが くろいので、しらない人は くろんぼの 子どもかと おもいました。
でも まちがいなく しろんぼの おとな。
ただ、ちょっと せいが ひくくて、ちょっと よごれているだけです。

すげぇ。なんてロックなはじまりかた。ようするに本書の主人公のピッコレットおじさん、煙突清掃業という汚れ仕事をしているせいでアフリカ系人種とよく間違えられます。というお方なのです。用語の選び方だけでなく、キャラ設定からして何かに引っ掛かりそう。

さらにピッコレットさん、まともな友達がいません。友達のうち一人はシャム猫。もう一人はフクロウ。最後の一人は風(?)
最後の友達はすでに生き物ですらない模様。しかもあまり打ち解けているわけでもなく

そりゃ、ともだちなら、ぶつくさいいの ふくろうや、ねむってばかりいる ねこも います。きゅうに きちがいみたいに あばれだす かぜだっています。でも、ふくろうも ねこも かぜも、ほんとうの そうだんあいてには なりません

こんな様子です。しかも清掃業がそんなに高収入である風にも見えず、ピッコレットおじさんは高年齢、低収入、人間関係希薄という社会のエアポケットにはまりこんでしまったような追いつめられた状況にいます。

そうやってぎりぎりの日常を過ごしているピッコレットさんですが、あるクリスマスの日、お金持ちの子供の家の部屋の中に煙突から滑落します。その部屋のなかで見たのは、美少女ドールのマリー=クレールです。高齢童貞をこじらせたピッコレットさんがドールをほしいなと思っている頃に、後ろからサンタクロースがやってくるじゃあないですが。早速ピッコレットさんはお願いをします。

「マリー=クレールですよ。ほら、これ」
ピッコレットさんは フランスにんぎょうを ゆびさしました。
サンタクロースは、また むずかしいかおに なりました。
「これは わしのものじゃないからな・・・ (後略)
いや、サンタさんなら在庫たっぷり用意しておこうよ。そしてピッコレットさんも恋人がいないのを人形でごまかすとか。

あ。

ああ、そうか。

ピッコレットさん、いつまでも振り向いてくれない三次元の女から決別してついに二次元の世界に行ってしまったのか!いや、人形は三次元か。んー。でもこういうのは近頃インターネットを見てるとよくあることではないでしょうか。ただ60年代からこの現象に気づいていたこの本の作者はある意味時代の先端を行ってたかと。そういえば最終的にはピッコレットさんこんなことを言ってるし。

「クリスマスなんて やめちまえ。」
と、ピッコレットさんは どなりました。
あれでしょ?これ、クリスマス中止デモと同じ流れの何かでしょ?こういう所も最先端のピッコレットさん。パネエっす。まあこの直後、サンタさんの魔法によって人間化したドールと結婚してその後暮らすんですけど。一応子供向けの絵本だし最後はハッピーエンドでした。

まとめ

本書について15秒で説明せよと誰かに言われた人のために短く要旨をまとめてみました。

汚れ仕事をしているせいでアフリカ系人種と間違えられるピッコレットさんは高齢になっても友達も彼女もいなかったため、職場で見かけた美少女ドールに恋をして、その後ドールと一緒に暮すようになりました。

これでいつの日かちびくろおじさんってどんなお話?って誰かに聞かれたときにすぐに答えられますね!そんな機会は万に一つもないとお思いますが。



posted by LoyalTouch at 07:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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